ヨシジのブログ

オーナーシップという生き方をめざして!喘息持ち頭痛持ち高血圧糖尿病の妻とともに、アトピー性皮膚炎・食物アレルギーの三兄弟を育てる男のブログ

第5章:性の貧しい認識が青春を暗黒へ

第5章 性の貧しい認識が青春を暗黒へ

 

〈思春期最大の課題は、性欲の問題をいかに克服するか〉

  女性には、なかなか分からない男性の苦しみは何かといったら、仕事や人間関係を挙げることができますが、すべての男性に共通の課題は性欲の問題であると言ってもいいでしょう。

 どんなに理性で抑えていても、ある環境の中に巻き込まれると、それ以上に強い愛欲や性欲の力に流され、今さえ良ければこの先どうなってもいいと奈落の底へまっしぐらとなってしまうのが、悲しい人間の姿だったのです。

 性欲のコントロールについては、男性の誰もが自信がないというのが正直のところではないでしょうか。

  私自身も、心の奥底にうごめく性欲の問題に人一倍悩み、この問題をどのように克服したらいいか必死に考えました。愛欲や性欲は身を滅ぼすほどの恐ろしい力があるというのは直感的に分かりますから、そのような環境には絶対に近づかないようにしようと思いながらも、誘惑されてみたい、自分も体験して大人の仲間入りをしたいという矛盾した心でフラフラしていたのが青春時代だったと思います。

 やがて結婚して子供を持つようになり、さまざまな人生経験を重ねるうちに、私の心の中の一番危険な要素であった愛欲と性欲が、徐々に落ち着いてきて変化し、今、違った角度から見れるようになってきたのではないかと思います。

 そして、その視点を、思春期に誰かに教えてもらっていたら、あんなに苦しむ必要もなかったのではないか。まだまだ未熟な私の考えであっても、それを手掛かりにしてもらったら、青年はもっと創造的、建設的になれるのではないかというのが、この原稿を書く一つの動機となっているのです。

 性欲を取り上げると、決まって持ち出されるのが心理学者フロイトの名前と、性欲はすべての欲望の根底にあるものであり、このエネルギーを昇華することにより、偉大な芸術や文化、スポーツ等が生まれるというくだりですが、私はこの理論には疑問を持っています。

  確かにその通りかも知れませんが、芸術にも文化にもスポーツにも大して興味のない大多数の人間は、性欲とどう闘ったらいいのか何の説明もないからです。

 性のエネルギーを昇華するといっても、爆発的なエネルギーをもてあましている男性にとっては、スポーツや芸術に意識を集中できるものではありません。プロスポーツの有名選手の多くが、半ば公然と多くの女性と肉体関係を持っているという事実は、現実はそんなに理論通りにはいかないことを如実に証明しています。

 そこで煩悩多き私が考えついた、性欲との闘い方をアドバイスいたします。

 

〈男性の性欲に踏みにじられた女性の涙の歴史〉

   1.性欲によって生じた人類歴史の女性の悲劇を考えよう

  戦争や革命というような、理性の歯止めがきかなくなった時、必ずそこには征服者による大量の強姦があり、悲劇が引き起こされました。

 まず、そのような光景を思い浮かべてみましょう。家は焼かれ、女子供の泣き叫ぶ声と逃げ惑う姿。侵略者の兵士たちによる強姦。

 強姦されている女性があなたの母親だったら、姉だったら、妹だったらどうしますか?

あなたの心に悲しみと怒りの思いがこみあげてきませんか?その怒りを、自分の性欲の思いにぶつけましょう。

 人類の歴史は裏を返せば、男性の性欲に踏みにじられた女性の涙の歴史だったのです。

その涙と悲しみに直面するなら、うわついた性欲の思いなどは吹っとんでしまうはずです。

 

 2.性欲の結果生じる妊娠や新しい生命について考えよう

  どのように避妊に注意しても、妊娠の可能性はあります。まして自分の性欲を満たすことしか考えていない男性は、そこまで気が回りません。

たとえ相手の女性があなたの愛している人だったとしても、今妊娠して彼女はかまわないでしょうか?

 学業を続けながらの子育ては、なかなかできるものではありません。精神的にもまだ未熟で、親が反対したりして、二人を取り巻く周囲の心理的環境も悪かったら、胎内の新しい生命に良かろうはずがありません。

 中絶すればいいさと安易に考える方もいらっしゃるかも知れません。しかし、中絶は実に危険な手術であり、女性の肉体にとっては出産と全く同じことなのです。

 中絶を何度も繰り返すと、今度は子供が欲しい時に産めない体になってしまう可能性があります。

 肉体的な苦痛とダメージもさることながら、女性にとっては新しい生命を闇に葬ってしまったという大きな精神的ダメージとなります。

 あなたの気まぐれな性欲の結果、愛する彼女は苦痛と、新しい生命を殺してしまわなければならないという罪の意識で泣きながら中絶手術を受けなければならないのです。

 妊娠3ヶ月の胎児は、もう人間の形をしています。4ヶ月からは死産届けが必要で、小さい木の箱に入れられ火葬にされるのです。時には出てきた後、ヒクヒクと動くことすらあります。その胎児の姿を思い浮かべてみて下さい。


〈生命誕生の瞬間に知る男女の役割と性の尊厳性の認識〉

  私は以前から出産シーンを見たいと思っていましたが、幸いに私の二番目の子供の出産に立ち会うことができました。病院から連絡を受けて分娩室に入ると、家内は汗をびっしょりかきながら、大きく腹式呼吸をしていました。両手はしっかりとベッドを握り締め苦痛に耐えようとしています。足は固定され出産時の作業がしやすいようになっています。

 痛々しい家内の姿に、一瞬息をのむ思いでした。しかし、こうして激痛に耐えているのも、自分の子供を生むためなんだと思うと、家内がいとおしく、手をしっかりと握り締めて「がんばって」と声をかけざるを得ませんでした。

 祈ることしかできないもどかしさの中で、女性の偉大さと男性のいいかげんさを痛感させられました。

 やがて出産。なんだかしわくちゃで小さな赤ん坊ですが、二人の愛の行為から具体的な生命が誕生したという生命の神秘に打たれしばらくは声も出ませんでした。性は簡単に考えてはいけない、これは神聖で重要なものなんだ、いつも今日の感動を持ち続けるようにしよう、そう感じたのです。

 

 〈家族と異性への真実の愛が、性欲をコントロールする〉

  性欲や性の喜びは、それ自体が目的ではなく生命の伝達という大自然のサイクルの中で、

男女に与えられた二次的なものではないでしょうか。もちろん、夫婦がより愛情を深めあうことができるようにという目的もあるわけですが、若い男女は妊娠のメカニズムをしっかりと学び、生命現象の中にある男女の役割とその尊厳性を認識すべきではないでしょうか?

 

 3.最愛の女性にはどんなふうに接するか考えよう

  1、2の考え方を教訓的反省的なものとすれば、この考え方は創造的と言えるでしょう。

つまり、その人があなたの最愛の女性だったとしたら、自分がどのような愛の表現をとるだろうかを考えてみるということです。

 前回で述べましたように、男性と女性とでは性についての見詰め方が根本的に違います。

また肉体的感性も違うため、男性は自分のペースではなく女性のペースに合わせて愛の行為に入っていかなければなりません。男性の性急な行動は、女性を不安がらせ傷つけてしまうことになります。そしてその結果、性生活に喜びどころか嫌悪感しか感じられなくなってしまうということになりかねません。

 性生活を喜びに満ちたものにするためには、男性が自分の性欲を相手への愛によってコントロールできるようにならなければならないでしょうね。

 
 4、両親や愛する妻や子供たちの顔を思い浮かべよう

 両親や愛する妻や子供たち、そこには心をあやしく引きつける力はないかも知れませんが信頼と安らぎの世界があります。何といっても家庭が自分の基礎であり出発点なのです。 仕事に疲れて帰った時、帰りを待ちわびて飛びついてくる子供の姿のためにも頑張らなければと思いますし、無条件で親を信じ甘えてくる姿に、親としての愛がこみ上げてきます。子供によって心に潤いを与えられ、生きる力を与えられます。

性の誘惑があった時、家庭の団欒を思い浮かべ両親や妻子への愛を思い起こしてみて下さい。その愛に勝るものは何もないのではないでしょうか?

 

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